文学 / ジョナサン・スウィフト箒の柄についての瞑想A Meditation upon a Broomstick

『箒の柄についての瞑想』の装画。古い箒と戸外の生きた木。

文学 / ジョナサン・スウィフト

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原著・底本

原題
A Meditation upon a Broomstick
著者
ジョナサン・スウィフト
底本
ヘンリー・モーリー編、Cassell & Company、1886年版。Project Gutenberg eBook 623の旧HTML。HTML内の公開日記載は2007年1月15日。
編者
ヘンリー・モーリー
原典の利用条件
パブリックドメイン(米国)
Project Gutenberg 利用条件
収録範囲
1886年モーリー編英語版所収の原題・副題と本文全二段落。

日本語訳

利用条件
CC0 1.0
翻訳原稿
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表紙

装画
日本人文
利用条件
CC0 1.0

本書のために制作した独自装画。原刊の装丁とは異なります。

追加日: 2026-10-21 / 更新日: 2026-10-21

1886年モーリー編英語版所収の原題・副題と本文全二段落。

箒の柄についての瞑想

ロバート・ボイル閣下の『瞑想録』の文体と流儀にならって

今、あの放り置かれた隅に、みすぼらしく転がっているこの一本の棒を、私はかつて、森の中で青々と栄えていたころから知っている。樹液に満ち、葉に満ち、枝に満ちていたものだ。ところが今では、人間のせわしない細工が、その樹液の尽きた幹に、しおれた小枝の束をくくりつけて、自然と張り合おうとしているが、むなしいことだ。今の姿は、せいぜい昔の裏返しにすぎない。枝を地面に、根を空に向けた、逆さまの木なのである。今では、どの汚い下働き女にも手に取られ、その雑用をさせられ、気まぐれな運命によって、ほかの物をきれいにしながら、自分は汚くなるよう定められている。やがて女中たちに使い尽くされ、先が擦り切れると、戸外へ捨てられるか、最後の用――火をたきつけること――に処せられる。これを見て私はため息をつき、心の中で言った。「まことに、死すべき人間とは箒の柄である!」自然は人間を、強く、たくましく、勢いに満ちた姿で世に送り出した。その頭には自前の髪が生えていた。理性を持つこの植物にふさわしい枝である。ところが、不摂生という斧がその青い枝を切り落とし、枯れた幹だけにしてしまう。すると人間は細工に頼り、かつらをかぶる。そして、自分の頭に生えたこともない、不自然な髪の束を、すっかり粉で覆って、自慢にするのである。だが、この箒の柄が、自分では一度も生やしたことのない白樺の枝を戦利品のように誇り、最高に上品な婦人の部屋を掃いて、全身ほこりだらけになった姿で、ひとかどの顔をして現れたらどうだろう。私たちは、その虚栄を笑い、軽蔑するに違いない。自分の長所と、他人の欠点とを量るとき、私たちの判断は、なんと身びいきなことか!

だが、箒の柄とは、頭で逆立ちした木の象徴ではないか、とあなたは言うかもしれない。では、人間とは、いったい何だろう。動物的な能力が、いつも理性的な能力の上に乗り、踵のあるべきところに頭を置いて、地べたをはい回る、逆さまの生き物ではないか。それなのに、これほどの欠点を抱えたまま、万事の改革者、不正の是正者、苦情の解決者を気取り、自然のあらゆる汚い片隅をほじくり、隠れた腐敗を明るみに出し、以前にはなかったところに、もうもうとほこりを立てる。その間ずっと、自分が掃き払うふりをしている、まさにその汚れに、深々と染まっているのである。晩年は女たちに、しかもたいていは、もっとも仕える値打ちのない女たちに、奴隷のように仕えて過ごす。そして、兄弟分の箒と同じように、先が擦り切れるまで使われたあげく、戸外へ蹴り出されるか、ほかの者たちが暖まるための炎をたきつけるのに、利用されるのである。