文学 / ジョナサン・スウィフトパートリッジへの哀歌と墓碑銘An Elegy on the supposed Death of Partridge, the Almanack-Maker; An Epitaph on Partridge
文学 / ジョナサン・スウィフト
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原著・底本
- 原題
- An Elegy on the supposed Death of Partridge, the Almanack-Maker; An Epitaph on Partridge
- 著者
- ジョナサン・スウィフト
- 出典・参照
- 原典の利用条件
- パブリックドメイン(米国)
Project Gutenberg 利用条件
英語Wikisource寄稿者 — CC BY-SA 4.0 - 収録範囲
- Project Gutenberg eBook 1090所収の哀歌94行・十二連と墓碑銘14行、底本注三件。二篇を一つの読書版へ収録。
日本語訳
表紙
- 装画
- 日本人文
- 利用条件
- CC0 1.0
本書のために制作した独自装画。原刊の装丁とは異なります。
追加日: 2026-10-21 / 更新日: 2026-10-21
Project Gutenberg eBook 1090所収の哀歌94行・十二連と墓碑銘14行、底本注三件。二篇を一つの読書版へ収録。
暦作りパートリッジの、いわゆる死を悼む哀歌
さて、ビッカースタッフの見立てどおりだった、
私たちは皆、冗談だと思っていたが。
パートリッジは死んだ。それどころか、
あのご立派な氏を嘘つきと立証する前に死んだ。
不思議ではないか、占星術師が死んだのに、
空には不思議が一つもないとは。
仲良しの星々は、その一つとして、
霊柩に敬意を払いに来なかったのか。
流星も出ず、日食も月食も起こらず、
燃える髭をなびかせた彗星も出なかったのか。
太陽は昇り、そして寝床に入った、
まるでパートリッジが死ななかったかのように。
月の陰に身を隠して、
真昼を恐ろしい夜に変えることもなかった。
太陽はいつもの時期に、牡羊座を通ってゆく、
地上の私たちの動きが、どう変わろうとも。
そして年に二度、赤道を横切る、
そんな事件など、なかったかのように。物知りの中には、不思議がる者もいた、
靴直し[1]と占星術に、どんな似たところがあるのかと。
パートリッジは、どうしてその目を、
靴底から引き上げ、空にまで届かせたのかと。靴直しは、布の細帯でこめかみを縛る、
髪が目にかからないように。
だから、君主たちの戴く王冠も、
そこから生まれたことは明らかだ。
従って今の王冠には、
金の星と光が飾られている。
これもはっきり示している、靴直しと、
惑星の学問の、近しいつながりを。そのうえ、ゆっくり歩く星座、ボオーテスは、
そう呼び違えられていても、何者なのか誰も知らない。
だが、パートリッジは、すべての論争にけりをつけた、
本業を心得て、「ブーツ」と呼んだのだ。[2]昔、ローマ人が、
靴につけていた、角のある月の飾り、
その幅広い形は、足の指に魚の目ができるのを防ぎ、
私たちの靴べらも、そこから来たというが、
それもまた、靴直しの技が、いかに、
天球とよく似ているかを示している。幾何学に従って吊るした、羊皮紙の切れ端は、
(気圧の測定では、大した進歩だが、)
星々と同じように、天気を予告できる。
しかも羊皮紙とは、皮以外の何だろう。
占星術師は、その皮を、
暦にも、靴にも使えるのだ。こうしてパートリッジは、機知と才能によって、
この二つの技を、一度に営んだ。
そして、不吉を告げる梟が、いや、むしろ、
蝙蝠が、その翼は皮でできているのだから、
夜になると、奥の隠れ家からそっと抜け出し、
蝋燭の明かりのまわりを飛ぶように、
学識あるパートリッジもまた、
暗がりの中、皮の仕事場から這い出して、
空想の中で、遠くまで飛んでゆき、
またたく星を、のぞき見ることができた。そればかりか、天球を混乱させ、
惑星同士を、喧嘩させることさえできた。
腕を見せようと、火星を、
金星と、不吉な位置関係に置く。
それから水星を、助けに呼んで、
金星が負わせた傷を、治すのだ。偉い学者たちは、ルキアノスで読んだことだろう、
ギリシア王フィリッポスが死んだとき、
その魂と霊は、二つに分かれ、
それぞれ、別の方へ向かったと。
一方は昇って星となり、もう一方は、
下へ落ち、地獄で靴を直したと。こうしてパートリッジは、今も二つの技で輝く、
靴直しの技と、星を見る技で。
そして、歴代のカエサルたちに劣らぬ、
立派な星の地位を授けられた。勝利の星よ、少しは情けをかけてくれ、
地上で、今なお戦っている靴直したちに。
嵐の夜には、いたずら小僧たちが、
小便で灯を消し、彼らを苦しめる。
あるいは隙間から、煙を吹き込み、
狭い中の職人たちを、窒息させようとするのだ。高く天球へ昇ったお前は、
そこでも、これまでの職を続けられる。
牡牛はお前に、その皮を貸してくれるだろう、
ポイボスが、なめして干したばかりの皮を。
お前のために、アルゴ船の船体に取り立てをかけ、
瀝青を塗った船腹を削り、靴糸の蝋を取るだろう。
そしてアリアドネは、親切にも、
編んだ髪を貸して、糸を作らせてくれる。
射手座の矢の先は、
天の技で、錐に変わる。
妻になだめすかされたウルカヌスは、
お前のために、革包丁を鍛えてくれるだろう。
乙女座の隣に、場所が足りなければ、
乙女は少し無理をして、両脚を広げて座り、[3]
親切にも、その間へお前を迎え入れる。
そうなれば、星座は十三になるだろう。
哀歌の底本注
パートリッジは靴直しだった。
彼の暦を参照。
「巨大な蠍座も、あなたのために腕を縮めるだろう」云々。
パートリッジの墓碑銘
ここ、深さ五フィートの地に、仰向けに眠る、
靴直し、星占い師、いかさま医者。
星々への、まったくの好意から、
今も、できる限り上を見つめている。
泣いてくれ、彼の丸薬、暦、靴を、
愛用していた、すべての客たちよ。
そして、運勢を尋ねていた者たちも、
週に一度だけ、この墓を訪ねてくれ。
彼の体の跡をとどめる、この土には、
それほどの効き目があると、わかるだろう。
私の耳を賭けてもよい、この土は教えてくれる、
お前たちに関わる、どんなことでも、まったく同じように、
病のことも、盗品も、恋のことも、
彼自身が、地上にいたときにできたのと同じくらいに。
訳注
哀歌第三連の冒頭は底本ではA List of Coblers Temples Tiesだが、一八〇一年版のA list the cobbler’s temples tiesを参照し、布の細帯でこめかみを縛る意味に読んだ。第七連のfly as fairは同版のfly as farを参照し「遠くまで飛ぶ」とした。第八連のMercuryは水星と水銀、Venusは金星と恋愛の女神を意味する。星々の話には、恋がもたらす病を水銀で治すという皮肉も重なる。