文学 / アルチュール・ランボーわが放浪Ma bohème

星空の下、田舎道のほとりに座る若い旅人を描いた、『わが放浪』の独自装画

文学 / アルチュール・ランボー

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原著・底本

原題
Ma bohème
著者
アルチュール・ランボー
編者
ポール・アルトマン
原典の利用条件
パブリックドメイン
フランス語Wikisource寄稿者 — CC BY-SA 4.0
収録範囲
1958年版『Œuvres』所収の標題・副題と全14行。フランス語からの日本語新訳、訳注2件。

日本語訳

翻訳者
日本人文
利用条件
CC BY-SA 4.0
翻訳原稿
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表紙

装画
日本人文
利用条件
CC0 1.0

本書のために制作した独自装画。原刊の装丁とは異なります。

追加日: 2026-10-20 / 更新日: 2026-10-20

全14行を収録。原詩の四つの連と行分けを保った。

わが放浪(幻想曲)

破れたポケットに拳を突っ込み、ぼくは歩いていた。
上着も、もう形を失いかけていた。
空の下を歩いた。詩の女神よ、ぼくはきみに忠実なしもべだった。
ああ、なんとすばらしい恋を、いくつ夢見たことだろう!

たった一本のズボンには、大きな穴が開いていた。
――夢見る親指小僧のぼくは、道すがらこぼしていった、
韻のつぶを。ぼくの宿は〈おおぐま座〉にあった。
――ぼくの星たちは空で、やさしい衣ずれの音を立てた。

ぼくは道ばたに座って、星たちに耳を澄ませた、
あの心地よい九月の夕べ、額に感じた
露のしずくは、力の湧く葡萄酒のようだった。

そして、不思議な影のなかで韻をつくりながら、
竪琴の弦のように、ぼくは引っぱっていた、
傷だらけの靴のゴム紐を、片足を胸に寄せながら!

訳注 1

「形を失いかけていた」の原文はdevenait idéal。すり切れた上着が、実物というより観念に近づいてゆくという言葉遊びとして訳した。

訳注 2

親指小僧は、道に目印を残して歩く童話の少年。ここでは、その目印が韻に置き換えられている。