文学 / ジョナサン・スウィフトステラの誕生日、一七二〇年Stella’s Birthday, 1720

『ステラの誕生日、一七二〇年』の装画。古い天使の看板と新しい看板のある宿。

文学 / ジョナサン・スウィフト

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原著・底本

原題
Stella’s Birthday, 1720
著者
ジョナサン・スウィフト
底本
Henry Morley編、Cassell & Company、1886年版。Project Gutenberg eBook 623旧HTML、公開日表記2007年1月15日。
編者
ヘンリー・モーリー
原典の利用条件
パブリックドメイン(米国)
Project Gutenberg 利用条件
収録範囲
1886年モーリー編英語版所収の原題と本文全56行・四連。

日本語訳

利用条件
CC0 1.0
翻訳原稿
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表紙

装画
日本人文
利用条件
CC0 1.0

本書のために制作した独自装画。原刊の装丁とは異なります。

追加日: 2026-10-21 / 更新日: 2026-10-21

1886年モーリー編英語版所収の原題と本文全56行・四連。

ステラの誕生日、一七二〇年

旅人は誰しも、初めには、
いちばん見栄えのよい看板へ足が向く。
部屋がこざっぱりとしていて、
酒も料理も気に入れば、
また訪れ、友人の誰にも、
「天使亭」を勧めるものだ。
看板の絵が古びたところで、
その宿の商いは衰えはしない。
たとえ裏切り者の酒場男トマスが、
二軒先に、新しい天使を掲げ、
へぼ絵描きの手で、精いっぱい飾り立て、
よその客が取り違えるのを当てにしても、
私たちは、恥であり、罪だと思う、
本物の、昔ながらの天使亭を見捨てることを。

さて、これこそ、ステラにそのまま当てはまる。
天使の顔に、少しひびが入っただけ。
(詩人や画家に描けるものなら描いてほしい、
三十六歳の天使とは、どんな顔か。)
初めは、その顔に引かれて訪れ、
その姿のうちに、天使の心を見つけた。
そして今は、あらゆる徳が埋め合わせている、
ステラの瞳の、薄れゆく輝きを。
見よ、君の朝の客間に群がる男たちを。
ステラは気前よく、皆をもてなす、
礼儀とユーモアと、才知と分別で。
しかも、ほとんど出費をさせずに。
皆の心を、こんなに豊かに満たし、
勘定も、こんなに良心的で、
与えるものに比べ、受け取るものは、あまりに少ない。
どうやって暮らしているのか、本当に不思議だ。
その蓄えが、もっと乏しかったなら、間違いなく、
とうの昔に、使い果たしていたはずである。

それなのに、誰が思うだろう、私たちがここを離れるなどと、
ドールが、もっと新しい顔の看板を出したからといって。
あるいは「クロエの顔」亭で足を止め、馬を降り、
切れ端や食べ残しを、あてがわれようなどと。

だからクロエ、まだしゃべり続けるがいい、
三十六だ、三十八だと。
悪口の種を拾う商売を続けるがいい、
ステラはもう、ひよっこではないという、当てこすりを。
男たちと話すのが、ステラは好きなのだと、
私たちに告げる、その思わせぶりな口ぶりも。
だが、これだけは信じるよう、忠告しておこう。
君の心には、嘆かわしい真実だろうが、
もし君が、その日まで生き延びたとしても、
ステラの髪が、すっかり白くなり、
年齢が、深いしわの跡を刻む日まで、
その顔の、あらゆるところに。
君と、君の愚かな仲間の全員が、
細工にも、時にも、自然にも、賄賂を渡し、
美の女王そっくりに、してもらい、
永遠に十五歳で、いられたとしても、
若さの花盛りは、決して隠せはしない、
君たちの心の、ひびや、しわを。
分別ある男たちは皆、君の戸口を通り過ぎ、
八十になったステラのもとへ、群がるだろう。