文学 / ジョナサン・スウィフトステラの誕生日、一七二六年三月十三日Stella’s Birthday, March 13, 1726

『ステラの誕生日、一七二六年三月十三日』の装画。明るい窓辺で誕生日を祝うステラと老詩人。

文学 / ジョナサン・スウィフト

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原著・底本

原題
Stella’s Birthday, March 13, 1726
著者
ジョナサン・スウィフト
底本
Henry Morley編、Cassell & Company、1886年版。Project Gutenberg eBook 623旧HTML、公開日表記2007年1月15日。
編者
ヘンリー・モーリー
原典の利用条件
パブリックドメイン(米国)
Project Gutenberg 利用条件
英語Wikisource寄稿者 — CC BY-SA 4.0
収録範囲
1886年モーリー編英語版所収の原題と本文全88行・七連。否定の有無で意味が変わる箇所は1801年版と照合し、訳注に示す。

日本語訳

利用条件
CC0 1.0
翻訳原稿
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表紙

装画
日本人文
利用条件
CC0 1.0

本書のために制作した独自装画。原刊の装丁とは異なります。

追加日: 2026-10-21 / 更新日: 2026-10-21

1886年モーリー編英語版所収の原題と本文全88行・七連。否定の有無で意味が変わる箇所は1801年版と照合し、訳注に示す。

ステラの誕生日、一七二六年三月十三日

この日は、運命の女神たちが何を定めようとも、
私には、いつも喜びの祝い日である。
だから、この日に限っては、聞かせないでほしい、
君は病気で、私は老いたという話を。
迫ってくる災いを、思いもせず、
眼鏡や丸薬の話も、やめておこう。
そんな、気のめいる話を聞くのは、
明日になってからで、十分だ。
だが、理性からなら、引き出せるかもしれない、
もっとよく、もっと喜ばしい考えを。
あらゆる衰えにもかかわらず、
残るわずかな日々を、支えてくれる考えを。
もっともまじめな聖職者とはいえない私から、
今度だけは、少しまじめな詩を、受け取ってほしい。

昔のように、これからの長い人生の計画を、
もう立てることは、できなくなったけれど、
君は、時が急いで過ぎる中でも、
過去を、喜びとともに振り返ることができる。

もし、来世の幸福も苦しみも、
頭の中の、ただの作り事だとしても、
無神論者が、そう言い張って、信者を誘い、
悪徳へ導こうとする、そのとおりだとしても、
(彼らの差し出す、ただ一つの慰めは、
自分たちの苦悩の、道連れを得ることだ。)
そうだと認めよう。それでも、確かに理不尽ではないか、
それ自体が報いと呼ばれる徳が、
人間にとって、最高の善であると、
あらゆる賢人の認める徳が、
行いとともに消え、後に、何も残さないとは、
心の中の、長く続く喜びさえも。
思い出すことで、和らげてくれる喜びを、
悲しみや病気、貧困や老いを。
力強く、光り輝く矢を放ち、
人生の、衰えゆく日々を照らす喜びを。

ステラ、教えてくれ、君は満ち足りた思いがしないだろうか、
よく生きた一生を、振り返るときに。
君の巧みな手は、救うために働いてきた、
絶望した、不幸な人々を、墓から。
そして、自分の蓄えで、支えてきた、
以前、死から引き戻してやった人々を。
摂理も、そうして人間に付き添い、
初めに生み出したものを、守り続ける。
君の、寛大で大胆な心――
罪のない、その場にいない友を、かばう心。
塵にまみれて、低く押しやられた値打ちを、
公平に認められる、その勇気。
悪徳が、どれほどきらびやかな衣装を着ようと、
君のあらわす、その嫌悪。
頑固なストア派でさえ、泣き言をこぼすような、
責め苦のような痛みの中での、その忍耐。

こうしたものは、空しい影のように、過ぎ去るのか、
鏡に映った姿のように。
あるいは、心の中の、ただの幻のように、
飛び去って、何の跡も残さないのか。
二十年前に食べたものによっても、
体は、栄え、育っているのではないか。
食べ物を、与え続けられなかったなら、
とっくに千回も、死んでいたはずだ。
それなら、誰が、理をもって言えるだろう、
食べ物の効き目は、何も残らないなどと。
そして、人間にとっての徳は、
心を養う、糧ではないか。
過去の、よい行いの一つ一つに支えられ、
最新の行いによって、また支え続けられる。
それなら、誰が、理をもって主張できるだろう、
徳の効き目は、すべて尽きてしまうなどと。

信じてほしい、ステラ、君が示すとき、
この世のものへの、真の軽蔑を。
ただ友人たちを喜ばせるほかには、
自分の命に、何の値打ちも置かないとき、
君の過去の行いも、分け前を求め、
力を合わせ、君の心を強くする。
徳は、日々の道のりの中で、
ヤヌスのように、二つの顔を持つのだから。
喜びをもって、通ってきた道を振り返り、
それゆえ、勇気をもって、前へ進む。
徳は、君の病の床に付き添い、
もっとよい境涯へと、導くだろう。

ああ、それなら、天が何を意図しようとも、
君を思いやる友人たちを、思いやってほしい。
君の病に、心を乱され、
友人が冷淡だなどと、思い込まないでほしい。
私を、そう、この私だけは、大事にしてほしい、
君の苦しみを、喜んで分かち合い、
この命の切れ端を、君に渡したいと願い、
それでも、君にふさわしい贈り物には、ほど遠いと思う私を。
私が生きて、こう伝えられるのは、
幾度となく、君の看護のおかげだったのだから。

訳注

訳注

第三連第十一行の底本はorだが、一八〇一年版はnorである。「徳が行為とともに消え、長く続く喜びも残さないとは理不尽だ」という前後の論旨に従い、norの読みを参照した。第四連のYouはYour、under toはunder、第六連のLookはLooksという同版の異読も、文意の確認に用いた。年記は底本の一七二六年を保持した。